PRP再生療法で顔全体の肌再生!
PRP再生療法は、自身の血液から分離・濃縮した血小板を体内に注入することで、自己治癒をサポートする血小板のメリットを活かした治療法です。再生医療は、病気の治療だけでなく、美容医療での実用化が進んでおり、PRP再生医療もその1つです。そこで、今回は、PRP再生療法の特徴や効果についてご紹介します。
PRP再生療法とは?
PRPとは「Platelet-Rich Plasma」の略語で、日本語で「多血小板血漿」と訳されます。血小板は、骨髄の中で産生される血液成分の1つで、血管が損傷した場合に、その傷口に集まって出血を防ぎ、止血する役割を果たしています。また、人の体や肌においては、傷んだ組織の修復を促進する物質、すなわち「成長因子」を供給し、傷んだ組織を元通りにしようとする自己治癒の仕組みがはたらいています。
PRPには血小板のさまざまな「成長因子」が多く含まれており、これを注入することで組織の修復が促進され、自然治癒効果が期待できるのです。即効性があるのではなく、時間をかけて徐々に改善していくため、違和感なく、もともとの若い頃のような自然な肌状態に改善します。また、PRPには組織の修復を促し、組織の炎症を抑制することで痛みを軽減する効果もあります。
PRP注射そのものは、採血も含めて1時間~1時間30分程度で終わることがほとんどで、ダウンタイムもほとんどありません。自身の血液中に含まれる血小板の成分だけを高い濃度で抽出し、注射する治療法なので、肝炎などのウイルス感染の危険性やアレルギー反応を起こす心配もなく、副作用のリスクが低く安全といえます。
PRP再生療法の効果
PRP注射の効果は、PRPに含まれる成長因子の効果によるものです。
PRPに含まれる成長因子は、肌の細胞を再生し、コラーゲンの生成を促進するので、加齢による脂肪の蓄積や眼輪筋の衰えによる目の下のたるみの改善が期待でき、目の下のクマや腫れぼったいまぶたが解消します。老化した肌全般の若返り効果が期待できるので、肌のハリもアップします。
また、水光注射で使うヴィタールインジェクターという機械を用いて、顔全体の真皮の浅い層に細かく均一にPRPを注射することで、肌全体がうるおい、皮膚の保湿能力が改善されます。
そして、ヴァンパイアフェイシャルと呼ばれる、PRP再生療法とダーマペンの組み合わせの治療もあります。ダーマペンにより針で肌を傷つけ、血小板から成長因子が放出されると、施術を行った部分の細胞の再生作用が活性化し、内側からコラーゲンやエラスチンがつくり出され、みずみずしい肌へと再生されるので、ニキビ跡や肌の凸凹、クレーターの改善に効果を発揮します。
さらに、PRPにはダメージからの肌の回復力を高め、皮脂の過剰な分泌を抑え、毛穴の開きを抑制する効果や、肌のたるみを改善し、リフトアップする効果があるので毛穴の開きの改善にも効果があります。
ほかにも、PRPに含まれる成長因子の効果によって、真皮の組織再生が起こり、ヒアルロン酸やコラーゲンの産生が盛んになるので、皮膚のリフトアップ効果も期待できます。また、成長因子が持つ組織修復能力によって、細胞を若返らせることで、シワやほうれい線、マリオネットラインを改善します。
まとめ
自分自身の細胞の再生能力をアップさせることで、根本的な改善を目指すPRP再生療法は、美容医療でも注目されています。ただし、成長因子の割合や数には個人差があるので、効果は個人差が大きくなること、費用が高いこと、保険診療の適応が可能な疾患が限られることなど、まだデメリットもあります。今後研究や普及が進み、誰もが選択できる治療法になることを期待したいです。